離島や半島の先に住んでいると、大きな災害のときに道路や船が止まり、外と行き来できなくなることがあります。そのうえ停電で携帯電話の基地局まで止まると、連絡の手段がなくなってしまいます。
この記事では、国の調査や白書(2026 年 10 月時点で確かめたもの)をもとに離島・半島で起きやすいことを整理し、当サイトの孤立リスク診断の結果(低・中・高)ごとに、何から備えればいいかをまとめました。
結論
結論:診断が「低」なら、別の会社の携帯電話の回線を 2 つ持つだけで足りることが多いです。「中」なら、災害のときだけ使う衛星の回線(Starlink Mini など)を 1 つ用意します。「高」なら、Starlink を家に常設し、ポータブル電源とソーラーで電源も自分で確保しておくのが安心です。
離島・半島で孤立が起きやすい理由
内閣府の全国調査(2014 年公表)では、災害のときに孤立する可能性のある集落が、農業集落で 17,212、漁業集落で 1,933 ありました。孤立しやすいのは、次のような地域です。
- 外とつながる道路が 1 本しかなく、土砂崩れや津波で途切れやすい
- 島で、船や飛行機が止まると行き来できない
- 山と海にはさまれ、集落が点々と離れている
2024 年の能登半島地震では、道路の通行止めで最大 33 地区・3,345 人(1 月 5 日現在)が孤立状態になり、実質的に解消したのは 1 月 19 日でした。1 月 3 日には、携帯電話 4 社の合計で 839 の基地局が止まっています(令和 6 年版 防災白書)。
孤立すると、通信も止まりやすい
孤立した地域では、通信も止まりやすくなります。基地局には停電に備えた非常用の電源がありますが、道路が使えないと燃料や電源車を運べず、電源が切れたあとは止まったままになりがちです。光回線や固定電話も、電柱やケーブルが壊れると、直す人が来られるまで戻りません。
一方で、地上の設備に頼らない衛星の回線は、こうした地域で役立ちます。能登半島地震では、通信会社 3 社から避難所などへ Starlink が 660 台提供されました(令和 6 年版 情報通信白書)。
孤立リスク診断の結果別、まずやること
孤立リスク診断では、住んでいる地域の種類、携帯電話の電波、家までの道路、過去 5 年の停電や通信障害、家族の構成、災害のときに必要な連絡を答えると、孤立のしやすさを「低・中・高」で表示します。結果ごとの備えは次のとおりです。
| 診断の結果 | 通信の備え | 電源の備え |
|---|---|---|
| 低 | 別の会社の携帯電話の回線を 2 つ持つ(eSIM でもよい) | スマートフォンを充電できるモバイルバッテリー |
| 中 | 災害のときだけ使う衛星の回線(Starlink Mini など)を用意する | Mini とスマートフォンを動かせるポータブル電源 |
| 高 | Starlink を家に常設し、ふだんの回線として使う | ポータブル電源とソーラーパネルで、電気も自分で確保する |
診断が「低」だった人
携帯電話の会社を家族で分ける、または自分のスマートフォンに別の会社の eSIM を入れておきます。片方の会社の基地局が止まっても、もう片方がつながる可能性があります。月の費用も小さく、いちばん手軽な備えです。
診断が「中」だった人
携帯電話がまとめて止まる場面に備えて、衛星の回線を 1 つ持っておきます。ふだんは使わず、災害のときだけ取り出すなら、小型で持ち運びやすい Starlink Mini が向いています。使わない月は、スタンバイモード(月 1,585 円、最大 500kbps の低速は無制限)で契約を残しておく方法もあります。
2026 年 10 月時点で、ホームプランを新しく契約すると Starlink Mini のキットが 0 円になるキャンペーンが続いています。条件は「今だけ 0 円」のページで確かめてください。
診断が「高」だった人
孤立が数日から数週間続くことも考えて、Starlink を家に常設し、ふだんから自宅の回線として使っておきます。毎日使っていれば、いざというときに「設定が分からない」「契約が止まっていた」といったことが起きません。
電源は、ポータブル電源だけでは長い停電に足りないことがあるので、ソーラーパネルで充電できるようにしておきます。必要な容量は電源シミュレーターで確かめられます。電源の組み方は「停電時に Starlink は何時間動く?」で解説しています。
PR | 稼働時間は 60W / 22W の連続使用で試算
EcoFlow
DELTA 2
- 容量
- 1,024 Wh
- AC 出力
- 1,500 W
- 重量
- 12 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 14.5 時間
- Mini 連続
- 約 42.8 時間
向き:Standard を一晩以上動かす基準機
参考価格 99,800円 前後
価格と在庫を見るJackery
ポータブル電源 1000 New
- 容量
- 1,070 Wh
- AC 出力
- 1,500 W
- 重量
- 10.8 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 15.2 時間
- Mini 連続
- 約 44.7 時間
向き:軽さと容量のバランス
参考価格 109,800円 前後
価格と在庫を見るAnker
SOLIX C1000
- 容量
- 1,056 Wh
- AC 出力
- 1,800 W
- 重量
- 12.9 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 15.0 時間
- Mini 連続
- 約 44.2 時間
向き:急速充電重視
参考価格 99,900円 前後
価格と在庫を見る離島・半島で Starlink を使う前に確かめること
- 未完了: 住所が Starlink の提供状況マップでサービス提供中になっているか(地域によっては定員に達していることがある)
- 未完了: 家の周りに、空がよく見える置き場所があるか(山や木で空がふさがれやすい地域は特に)
- 未完了: 台風の強い風に備えて、しっかり固定できるか、しまえるか
- 未完了: 停電のときに使う電源をどこに置くか
- 未完了: 島の外にいる家族と、どの手段で連絡するか決めたか
ポイント
海に近い家では、潮風で金具やケーブルのつなぎ目が傷みやすくなります。屋外に常設するなら、ときどきケーブルや金具の様子を見ておくと安心です。台風の前の準備は「台風で停電したら Starlink は使える?」の記事でまとめています。
通信のほかに用意しておきたいもの
孤立したときに困るのは通信だけではありません。道路が戻るまでの数日から 1 週間ほどを、家の中の備えで乗り切れるようにしておきます。
- 水と食べ物(家族の人数分)
- 常備薬と、持病がある人の薬の予備
- 携帯ラジオ(インターネットが使えないときの情報源)
- 懐中電灯と予備の電池
- 現金(停電でキャッシュレス決済が使えないことがある)
Starlink は工事がいらず、届いたら空の見える場所に置いてつなぐだけで使えます。30 日間のお試しもあるので、離島や半島の家でどれくらいつながるか、実際に確かめてから決められます。
Starlink を災害時の「もう一本の回線」にする
Starlink 公式サイトで最新料金を見るまとめ
離島や半島では、道路や船が止まると孤立しやすく、そのあいだに携帯電話や固定電話も止まりやすくなります。まずは孤立リスク診断で自分の家のリスクを知り、「低」なら携帯電話の回線を分ける、「中」なら災害用の衛星の回線を持つ、「高」なら Starlink と電源を常設する、と段階的に備えてください。
南海トラフ地震の想定は「南海トラフ地震に備える通信手段」、台風への備えは「台風で停電したら Starlink は使える?直撃前にやる 5 つの準備」、通信手段の比べ方は「携帯が圏外になる災害のパターンと、つながる手段の優先順位」もご覧ください。