Starlink の弱点としてよく挙げられるのが「上り(アップロード)が遅い」ことです。たしかに光回線と比べると差は大きいのですが、ふだんの使い方で困るかどうかは、何をどれくらい送るかで決まります。
この記事では、2026 年の実測のデータと、YouTube や Zoom の公式の推奨値をもとに、写真のバックアップ・動画の投稿・ライブ配信が Starlink でどれくらいできるかをまとめました。
結論
結論:Starlink の上りは 10〜35Mbps 前後です。ビデオ会議や写真のバックアップ、フル HD までのライブ配信には足ります。光回線より時間がかかるのは、大量の写真や長い動画をまとめて送るときで、寝ている間に送るなどの工夫で十分にカバーできます。4K のライブ配信を毎日する人には向きません。
Starlink の上りの速さ
| データ | 上り |
|---|---|
| 公式(ホームプランの説明) | 最大 20〜40Mbps |
| みんなのネット回線速度(直近 3 か月の平均) | 約 36Mbps |
| BNR スピードテスト(2026 年 7 月 26 日〜9 月 22 日の中央値) | 約 10Mbps |
| 参考:光回線(ドコモ光、みんなのネット回線速度の平均) | 約 448Mbps |
| 参考:ホームルーター(ドコモ home 5G、みんなのネット回線速度の平均) | 約 23Mbps |
実測は利用者が自分で測って投稿した値で、2026 年 9 月時点のものです。平均は速い人の結果に引っ張られやすく、中央値は真ん中の人の値なので、ふだんの目安としては「10〜35Mbps 前後」と考えておくと実態に近いです。
光回線とは 10 倍以上の差がありますが、ホームルーターとはほぼ同じか、少し速いくらいです。
送るのにかかる時間の目安
上りの速さから、送るのにかかる時間を計算してみます。1GB は 8,000Mb(メガビット)なので、「8,000 ÷ 上りの速さ」で秒数が出ます。実際には、Wi-Fi の状態や送り先のサービスの混み具合で、これより長くかかることがあります。
| 送るもの | 上り 10Mbps | 上り 36Mbps | 参考:上り 448Mbps(光回線の平均) |
|---|---|---|---|
| 1GB | 約 13 分 | 約 4 分 | 約 18 秒 |
| 5GB | 約 67 分 | 約 19 分 | 約 1.5 分 |
| 20GB | 約 4.4 時間 | 約 1.2 時間 | 約 6 分 |
写真 1 枚の大きさは機種や設定で変わりますが、仮に 1 枚 4MB とすると、1,000 枚で約 4GB です。上り 10Mbps なら 1 時間弱、36Mbps なら 15 分ほどで送れる計算です。旅行から帰った日に数百枚をバックアップする程度なら、気にならない時間です。
使い方別:Starlink の上りで足りるか
ビデオ会議
Zoom の公式の推奨値は、1080p のビデオ会議で上り 3.8Mbps、720p のグループ会議で上り 2.6Mbps です。Starlink の上りの中央値(約 10Mbps)でも余裕があり、ふだんのビデオ会議で困ることはほとんどありません。在宅勤務での注意点は「Starlink で在宅勤務はできる?ビデオ会議・VPN・大きなファイルの送受信で気をつけること」で詳しく解説しています。
写真・動画のクラウドへのバックアップ
スマートフォンの写真を毎日少しずつクラウドに保存する使い方なら、Starlink でまったく問題ありません。時間がかかるのは、機種変更のときや、長い動画をまとめて送るときです。
- 充電中や Wi-Fi 接続中だけバックアップする設定にしておき、寝ている間に送る
- 撮影したその日のうちに少しずつ送り、ためこまない
この 2 つで、待ち時間はほとんど気にならなくなります。
動画の投稿(YouTube など)
撮影した動画をあとからアップロードする場合は、ライブ配信と違って速さが足りなくても失敗はしません。時間がかかるだけです。たとえば 5GB の動画なら、上り 10Mbps で 1 時間強、36Mbps で 20 分弱が目安です。毎日たくさん投稿する人は、寝ている間や出かけている間にアップロードを始めておくと効率的です。
ライブ配信
ライブ配信は、送る速さが足りないと映像が止まったり画質が落ちたりするので、いちばん上りの速さが問われる使い方です。YouTube の公式の推奨ビットレート(H.264 の場合)は次のとおりです。
| 画質 | 30fps | 60fps |
|---|---|---|
| 720p | 4Mbps | 6Mbps |
| 1080p(フル HD) | 10Mbps | 12Mbps |
| 1440p | 15Mbps | 24Mbps |
| 4K | 30Mbps | 35Mbps |
上りが 20〜30Mbps 出ている家なら、フル HD の配信はできます。上りが 10Mbps 前後の家では、フル HD の推奨値ぎりぎりなので、720p にするか、配信ソフトのビットレートを下げて、余裕をもたせるのが安全です。4K の配信は、推奨値が Starlink の上りの速さに近いか上回るため、向いていません。
ポイント
ライブ配信をするなら、配信する部屋のパソコンを LAN ケーブルでルーターにつなぎ、配信の前に Starlink アプリの速度テストで上りの速さを確かめておきましょう。Wi-Fi が弱いと、回線に余裕があっても配信が不安定になります。
上りの速さを引き出すコツ
- 送るパソコンは有線でつなぐ:Starlink のルーター(第 3 世代)には LAN の差し込み口が 2 つあります。大きなファイルを送る機器は有線にします。
- アンテナの空の見え方を確かめる:空が一部ふさがっていると、途切れや速度の低下の原因になります。アプリの障害物チェックで確かめます。
- 大きな送信は時間をずらす:家族が動画を見ている時間と重なると、Wi-Fi も回線も混み合います。夜中や外出中に送ると、ほかの使い方への影響も少なくなります。
- 送るものを減らす:動画は撮影時の画質を必要な分だけにする、クラウドの「元の画質」と「節約画質」を使い分けるなど、送るデータ自体を小さくする方法もあります。
Starlink の上りで困る人
- 4K の動画や大容量のデータを、毎日のように急いで送る必要がある
- 4K や 1440p で、長時間のライブ配信をよくする
- 仕事で、数十 GB のデータをその日のうちに送り届ける必要がある
このような人は、光回線を残すか、光回線と Starlink を併用するのが安心です。光回線と比べた向き不向きは「光回線と Starlink を比べる|固定回線をやめて Starlink 一本にできる家・できない家」で詳しく解説しています。
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Starlink の上りは 10〜35Mbps 前後で、光回線には大きく負けますが、ホームルーターとは同じくらいです。ビデオ会議、写真のバックアップ、動画の投稿、フル HD までのライブ配信には足ります。困るのは、4K の配信や、大容量のデータを毎日急いで送る使い方です。
下りを含めた速さの全体像は「Starlink の速度は実際どれくらい?「速くはないが遅くもない」動画・会議・ゲームの目安」、オンラインゲームでの使い心地は「Starlink でオンラインゲームはできる?ping の目安と、快適に遊ぶ 5 つのコツ」をご覧ください。