この記事の結論
Starlink は「地上のインフラが全部止まっても、電源さえあればつながる」通信手段です。1 年使って一度も「衛星側の都合」で切れたことはなく、切れる原因は常に電源か設置場所でした。だから防災用途では 端末よりも電源の設計 が本題になります。
なぜ Starlink は災害に強いのか
Starlink は高度約 550km を飛ぶ低軌道衛星と、自宅のアンテナが直接通信します。光ファイバーの引き込み線も、携帯基地局も、その先の中継局も使いません。
災害で通信が止まる原因を分解すると、ほとんどが「地上の設備」です。
| 止まる原因 | 光回線・携帯 | Starlink |
|---|---|---|
| 電柱・ケーブルの断線 | 影響大 | 影響なし |
| 基地局の停電(非常用電源は数時間〜1 日) | 影響大 | 影響なし |
| 中継局・局舎の浸水 | 影響大 | 影響なし |
| 利用者集中による輻輳 | 発信規制がかかる | 速度は落ちるが規制はない |
| 自宅の停電 | ルーターが止まる | 端末が止まる |
つまり「自宅の停電」だけが共通の弱点で、それ以外は地上回線が抱えるリスクを丸ごと避けられます。
実際の災害で何が起きたか
2024 年 能登半島地震では、KDDI と SpaceX が避難所などに約 350 台、復旧作業や自治体向けを含めると約 700 台の Starlink を投入しました。携帯基地局が停電と道路寸断で復旧できない中、避難所の連絡手段として機能したことは KDDI の公開資料に残っています。
2026 年 7 月の熊本地震では NTT ドコモが自治体や病院に Starlink Business を無償提供し、奥能登では公民館 14 か所に Starlink と蓄電池を常備する整備が 2026 年 2 月に完了しました。
自治体やキャリアが「災害時の最後の通信手段」として衛星通信を選んでいる。これが、個人でも同じ構成を持つ価値がある理由です。
1 年使って分かった「切れる理由」は 2 つだけ
私の環境で接続が切れたことは何度かありますが、原因は毎回この 2 つでした。
- 電源が落ちた:ブレーカーが落ちた、延長コードが抜けた、といった単純な理由
- 空が遮られた:設置直後に木の枝が視界に入り、特定方向で断続的に切れた
衛星側のメンテナンスや障害で長時間切れた経験はありません。逆に言えば、この 2 つを設計で潰せば災害時にも同じ信頼性が期待できます。
電源:Standard は 60W、Mini は 22W
Standard キットは安定時で 50〜75W、Mini は 20W 前後を消費します。1,000Wh のポータブル電源で Standard は約 14 時間、Mini は約 40 時間動く計算です。
1 日中つけっぱなしにするのではなく「朝夕 1 時間ずつ安否確認とニュース」という運用にすれば、1,000Wh で Standard でも 1 週間近く持ちます。詳しくは電源シミュレーターで、お手持ちの電源容量を入れて確認してください。
PR | 稼働時間は 60W / 22W の連続使用で試算
EcoFlow
DELTA 2
- 容量
- 1,024 Wh
- AC 出力
- 1,500 W
- 重量
- 12 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 14.5 時間
- Mini 連続
- 約 42.8 時間
向き:Standard を一晩以上動かす基準機
参考価格 99,800円 前後
価格と在庫を見るJackery
ポータブル電源 1000 New
- 容量
- 1,070 Wh
- AC 出力
- 1,500 W
- 重量
- 10.8 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 15.2 時間
- Mini 連続
- 約 44.7 時間
向き:軽さと容量のバランス
参考価格 109,800円 前後
価格と在庫を見るAnker
SOLIX C1000
- 容量
- 1,056 Wh
- AC 出力
- 1,800 W
- 重量
- 12.9 kg
- 電池
- LFP
- Standard 連続
- 約 15.0 時間
- Mini 連続
- 約 44.2 時間
向き:急速充電重視
参考価格 99,900円 前後
価格と在庫を見る設置場所:屋根の上でなくていい、空が開いていればいい
Starlink は北の空を中心に広い範囲を見渡す必要があります。マンションのベランダや、四方を高い建物に囲まれた庭では安定しません。
逆に、田んぼの脇、駐車場、二階のベランダの手すりの外側など、上空 100 度くらいが遮られていない場所なら地面に置くだけで十分です。災害時に持ち出す前提なら、Mini をキックスタンドで地面に立てるだけで動きます。
都市部の人には正直「過剰」
ここは売る側として言いにくい部分ですが、はっきり書きます。
都市部は複数キャリアの基地局が重なり、非常用電源や移動基地局の投入も早い。専門家も「都市部で個人がスターリンクを用意するのはやや過剰」と述べています。異なるキャリアの回線を 2 つ持つ(eSIM で十分)方が、安く確実です。
一方で次の条件に 2 つ以上当てはまる家は、Starlink が「代替のない備え」になります。
- 山間部・谷あい・半島・離島にある
- 家までの道路が実質 1 本
- 携帯は 1 社しか入らない、または屋内で圏外になる
- 半日以上の停電を経験したことがある
- 高齢の親、要介護者、持病のある家族がいる
自分の家がどちらか分からない人は、孤立リスク診断で 6 問に答えてみてください。「不要」という判定もきちんと出します。
防災目線での選び方
| 使い方 | 端末 | プラン | 理由 |
|---|---|---|---|
| 自宅の主回線にする | Standard | Home / Home Lite | 速度と安定性。普段から使うのが最大の訓練 |
| 普段は光、災害時だけ | Mini | ROAM 100GB | 使わない月は一時停止できる。省電力 |
| 遠方の実家に置く | Standard | Home Lite | 据え置きで親が操作しなくて済む |
| 車中泊・二拠点と兼用 | Mini | ROAM | 平時に使い慣れておける |
| プラン | 月額 | データ | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| レジデンシャル Home Lite | 4,600円 | 無制限(混雑時は優先度が下がる) | 自宅の固定回線代わり。速度より価格を優先したい人 |
| レジデンシャル Home | 6,600円 | 無制限 | 自宅で常用しつつ、災害時の主回線にもしたい人 |
| ROAM 100GB | 6,920円 | 100GB/月(超過分は追加購入) | 普段は使わず、災害・停電時や旅行時だけ使いたい人 |
| ROAM 無制限 | 15,600円 | 無制限 | 車中泊・二拠点で毎月たくさん使う人 |
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